政権誕生から1カ月の高市総理、悪化する日中関係「これだけは言いたい!」
田原総一朗です。
「死ぬまでジャーナリストとして伝えたい」という気概を持ち続けて活動しています。ニュースレターという新しい分野においてもジャーナリスト魂で「挑戦」していきたいと思っています。
月2回程度、わたくし田原が日本政治や世界情勢について考えていること、所感などをお届けいたします。
高市さんが総理大臣になって1ヶ月。まずこの話題に触れないわけにはいかないだろう。台湾有事に関する国会答弁。国会の場で台湾有事について具体的なことを言うこと自体が問題だと思っている。それを高市さんは具体的に言ってしまった。このことについてもっとメディアが批判すると思った。でも、高市さんの台湾有事発言に対する日本のマスコミの批判は甘かった。この発言は中国だけでなく国際社会と上手くいかなくなってしまうことが当然視される行為。日本のマスコミはもっと厳しくやるべきだ。
もともと、僕自身は石破茂さんの後は小泉進次郎さんが総裁選で勝つと思っていた。なぜ小泉さんにならなかったのか、小泉さんに近い人物に確認すると「(総裁に)なれると自信があった」と言っていた。総裁選終盤で熱心にやらなかったと。
しかし彼はまだ若いし、力をつけてまたチャレンジして欲しい。
「素人感覚」が生んだ答弁
それはそうと、今回の高市さんの国会答弁の件で自民党の閣僚経験者と話すと、戦艦とか原子力潜水艦だとか、そういうテーマは内々で話すことでしょうと。それを表で話すというのは「素人だ」という評価だった。周りにいた人も、同じ感覚だったのではないか。
米国の台湾への「あいまい戦略」などと言われているけれど、本当に難しい問題だ。はっきり言ってしまうのも問題だし、もし言ってしまった場合どうすべきなのか、しっかりと議論をしておくべきだった。政権内でしっかりと議論して出てきたものではなくて、自分で勝手に言ってしまったと。自民党の中で議論してなかったことが露呈した形だ。
政権ができてもう1ヶ月経つ。政権を取ったからには応援したいと思っている。でも、高市さんは外交姿勢などもあって、国際社会と揉めることがあるんじゃないかなとも思っていた。就任当初は、意外に揉めなかった。今回の台湾の問題までは。最初のASEAN、日米首脳会談など、無難に乗り切った。
1ヶ月経って、点数を付けるわけではないけれど支持率は高い。朝日新聞でも6割以上だったと思う。これまでははっきり主義主張を言う女性政治家がいなかったが、高市さんはわかりやすい言葉で話す。女性であると言うことにプラスしてわかりやすさを兼ね備えているということ、これが大きい。
日本で初めての女性総理誕生という意味も考えてみた。